画像解析モデルによる検査作業を平準化し、目視検査の削減へ

  • 公開日 2025-08-19
  • 最終更新日 2025-08-19

お客様情報

  • 企業:非金属材料メーカー
  • 職種:R&研究所・製造部
  • 業務:材料評価

製造業の品質管理において、製品の検査は欠かせない工程です。しかし、検査員の経験やスキルに依存する目視検査では、判定のばらつきや後進の育成に時間がかかるなどの課題がつきものです。

今回は、アイデミーのAI(人工知能)ソリューションを導入し、こうした課題の解決に成功した非金属材料メーカー様の事例をご紹介します。画像解析モデルと専用アプリの開発により、いかにして検査作業の平準化と効率化を実現したのか、その道のりを見ていきましょう。

図:目視検査によるばらつきや習熟の課題と、AI画像解析による検査作業の標準化・効率化を対比で示した

導入前の課題「属人化した目視検査による判定のばらつき」

こちらのメーカーでは、材料評価の工程で目視による検査を行っていましたが、以下の課題を抱えていました。

  • 判定のばらつき
    検査員個人の感覚に頼る部分が大きく、判定結果にばらつきが生じてしまうことが懸念されていました。
  • 技術の習熟
    検査員が一人前になるまでに時間を要し、教育コストや人材確保が負担となっていました。

プロジェクトは「画像解析モデル開発」と、「業務用アプリ開発」の2段階で

こうした状況から、属人的な手作業による評価をなくし、誰がやっても同じ結果が得られる「検査の平準化」が急務となっていました。

プロジェクトは「画像解析モデル開発」と、「業務用アプリ開発」の2段階で

プロジェクトは、フェーズ1として「画像解析モデル」の構築、フェーズ2として「業務用アプリ」の構築を、各3か月で実施。週次定例会で進捗を報告することとしました。

プロジェクトメンバーは、お客様からはプロジェクトマネージャー、DX担当者、事業部担当者、Aidemy Solutionsからはプロジェクトマネージャー、エンジニア、データサイエンティストが参画しました。

図:画像解析モデル開発と業務用アプリ開発の2段階構成を示す

フェーズ1「画像解析モデル開発」
お客様の業務理解をもとにモデル開発を遂行

お客様との週次定例会で進捗報告と意見交換を行いながら、次を実施しました。

  • 業務ヒアリング
  • 画像解析モデルの技術選定
  • アイデミーのナレッジを活用したモデル精度向上
図:検査現場の業務理解をもとに画像解析モデルを開発していく様子を説明した

従来の検査員の目視判定では、人による判定差異の懸念がありました。
画像解析モデルを開発することで、誰が検査してもブレない判定を実現しました。

図:従来の目視検査では判断にばらつきがあったが、業務ヒアリングと画像解析モデルの開発を通じて、誰が検査してもブレない自動判定を実現した様子を示す

フェーズ2「業務用アプリ開発」
研究所や向上の現場の方々とアプリ構築

フェーズ2でも、お客様との週次定例会で進捗報告と意見交換を行いながら、次を実施しました。

  • 各環境における精度の変動を確認し改良
  • イメージを共有しながら開発、使い勝手を即座に向上しゴールに向かう道筋を示す
図:検査結果をクラウドアプリに連携し、異なる環境でも精度を維持する仕組みを示した

たとえば、外の光が入ると精度が変わる可能性があったところ、専用ライトを設置し、光量を均一化することで、精度向上を実現しました。

図:外光による検査精度のばらつきを防ぐため、専用ライトを設置して光量を均一化し、精度向上を図った

まとめ「画像解析アプリの自動判定による業務の平準化で、検査作業の削減を実現」

この事例では、全工場に判定基準を共通化した画像解析アプリ導入によって、業務の平準化を可能に。それにより、検査作業の削減を実現しました。

現在は、通信速度など使い勝手の向上に向けた改良を計画中。継続改善に努めています。

AIによる画像解析が、検査員の経験やスキルに依存する「属人化」の問題や、後進の育成に時間がかかるなどの課題を解消し、検査作業の平準化と効率化に大きく貢献する事例として、ご参考になれば幸いです。

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